Ulasan Motoyu Magokuro

福地温泉は奥飛騨温泉郷の中でもいかにも山中に来たというちょうどいい寂れ感があって、この元湯孫九郎も温泉が充実しつつも秘湯っぽい雰囲気がいいと思います。 価格帯的にもサービス的にも、旅館としては中級なので、高級旅館のようなおもてなし感を期待してると少し残念かもしれませんが、温泉メインでちょっと奥地らしい旅館を求めてる層にはしっくりくるんじゃないでしょうか。 正面玄関の雰囲気と比べると、部屋は改装してそれほど経っていないのできれいで、設備等も申し分ありません。デイベッドのある部屋に泊まったので、湯上りにそこでだらだら本を読んだりして、とてもリラックスできました。 あちこちに置いてある小物類もかわいくて良いアクセントでした。 温泉は混み具合にもよるのかもしれませんが、旅館の規模に対して内湯・露天風呂・貸切風呂と十分にあり、泉質も変えてあるので何度も楽しめます。バスタオルが人数より多めに用意されてるのも、温泉をエンジョイしてほしいという配慮が感じられました。 料理はそれほど凝ったものではありませんが旅館の雰囲気とも合ったこの地域らしい内容で、飛騨牛もおいしく、量も十分ありました。 それ以外にも、庭や高級音響設備の部屋など、ちょっとひまだなと思ったらウロウロするところもあって、2泊3泊といても、のんびりする目的なら飽きずに過ごせると思います。時期は限られるでしょうが、7月上旬の庭にはホタルも飛び交っていて、テラスからは星空もきれいで、手持ち無沙汰になりがちな夜も楽しめました。 接客の人によるムラも、この規模の旅館なら味と思える範囲で、困ったことなどはありませんでした。 全体に小規模旅館なのでオーナーのセンスが色濃く出ている部分もあり、そこが合うか合わないかで印象も変わってくるかもしれませんが、インテリアやスタンスなどトーンが整っていて、旅館としてバランスがとれていたと思います。